事前通知の電話の声からすると「60歳前後かな」と思い、職歴を調べてみると、過去に統括官にもかかわらず、現在は調査官という経歴の方もいます。
　　この意味するところは、統括官で定年退職して、調査官として再雇用された調査官というわけです。
このような雇用形態は「再任用」と呼んでいます。一般社会では、「嘱託」や「再雇用」とも言われています。

　　国税も他の省庁と同じで、新卒の採用人数は予算に依存しているため、例えば予算が多くあり、新卒を大量に採用できるとしても、新人比率があがることで、調査の効率は急激に落ちることになります。これを回避するための１つの手段として、昨今は「再任用（再雇用）」の調査官が急激に増えています。
　　また、国税職員を退職した後の既定路線として、税理士登録・開業がありましたが、昨今は税理士の飽和・過当競争という現実から、退職した調査官も税理士にならずに、再任用を選択する職員が増えています。
　　担当調査官の職歴を調べたところ、再任用であった場合、調査件数をこなしたいだけで、厳しい調査は考えられませんので、「当たり」と言えます。
　　再雇用の調査官は、調査件数のノルマはありますが、評価というものは存在しません。ですので、調査に対するモチベーションが高いとは言えないでしょう。