「調査官の経歴を調査前に確認する」ことは重要です。
普通のサラリーマンもそうですが、仕事のやり方は、経歴・経験からきているものが多いので、職歴を見ればある程度、調査対応がわかります。
　職歴を確認する方法として「10年職歴」があります。「10年職歴」は、国税局とその管轄地域内の税務署に勤務する税務職員の、10年間分の職歴を掲載した名簿です。
　単年度の職歴とは違い、調査官の職歴の10年分が1ページに並んでいますので、非常に見やすくなっています。
事前通知があった際に言われた調査担当者の職歴をチェックするのは当然ですが、上司である「統括官」の職歴も確認してください。
通常の税務調査では、統括官と話す機会はないと思いますが、下記のような事案では「あえて」統括官と話すことになります。

　　○担当調査官ではラチが明かない（的を得ない若い調査官など）
　　○税務調査の手続きなど、税務調査に対してクレームを入れたい
　　○担当調査官では落とし所を決められない

　　　調査官には、調査事案に関する決裁権限はなく、最終的には調査官の上司である統括官が決裁権限を持っているので、担当の調査官と話が折り合えない場合、統括官と協議・交渉することになるからです。
　　　この統括官の職歴を確認して、「料調」（国税局の資料調査課）や「査察」出身者であれば、統括官と話さないことも選択肢として考えるべきです。
「料調」（国税局の資料調査課）や「査察」出身者は、担当調査官より「激しい」「応じない」ことが予想され、かえって、統括官と話すことで交渉がさらに難しくなることも十分に考えられるからです。
一方で、統括官の経歴がわりと普通なのであれば、統括官と話した方が話は早いはずです。ぜひ参考にしてみてください。