国税は６月で事務年度が終わり、6月後半に異動の内辞、７月10日に異動ですから、毎年６月中旬には調査を終わらせるのが通常です。

さて、６月になっても終わる気配がない調査事案というのがあるとすれば、その多くは「特官部門」の調査でしょう。
その理由として、特官部門でも、事務年度は変わりませんし、調査件数のノルマも６月で締めるのですが、
特官部門の場合、規模が大きい調査対象を前提としていますので、１件あたりの調査にかける日数が、一般案件より多く割り振られていることと、
一般の調査部門であれば７月10日で、税務署内で部門ごとに配置換えが行われる一方で、特官部門の場合はこの配置換えが基本的にありません。
例えば、特官が１名で、上席２名、調査官１名の特官部門の場合、 全４人が異動になる、ということは確率的にいって少なく、誰が異動になるかは6月後半の内辞までわからないですが、
その税務署に配属されて１年目であれば７月の異動はないと予測がつきますし、異動があるのは多くて２名、普通なら１名と見込めます。
このように、一般部門では６月中旬までに調査を終わらせなければならない、という原則が、特官部門の場合は引継ぎしなくていい（誰かは特官部門に残る）という観点から、強い要因になりにくいのです。
一般部門の調査事案であれば、５月下旬から６月上旬は、とりあえず強気に交渉すれば通ることがほとんどですが、特官部門の調査事案の場合、５～６月の交渉のやり方というのも少し変わってきますので、参考にしてください。